開催記録 · Official Report
2026年 ジュニア・テニスカンファレンス 開催記録
北海道テニス協会 主催 / 2026年4月19日(日) / きたえーる 2階講堂(札幌市豊平区) / 13:30〜16:40
本ページは、2026年4月19日(日)に開催された「北海道テニス協会 ジュニア・テニスカンファレンス」の内容を、当日ご参加いただけなかった選手・保護者・指導者の皆さまに向けて記録・公開するものです。各委員会の講義・質疑応答の要旨をまとめております。
目次
- 開催概要・会長あいさつ
- ジュニア大会委員会:大会・ランキング制度について
- 審判委員会:フェアプレーとセルフジャッジの原則
- ジュニアランキング委員会:JPIN登録制度の変更について
- ジュニア強化委員会:選手育成の考え方
- 医科学委員会:水分補給と熱中症対策
1. 開催概要・会長あいさつ
| 日時 | 2026年4月19日(日)13:30〜16:40(当初予定の1部・2部制を統合し、1部制で実施) |
|---|---|
| 会場 | きたえーる 2階講堂(札幌市豊平区豊平5条11丁目1-1) |
| 対象 | 北海道在住のジュニア選手(小・中・高校生)、保護者、指導者、関係者 |
| 参加費 | 無料 |
| 主催 | 北海道テニス協会 総務委員会が主体となり各委員会合同で実施 |
本カンファレンスは、テニスシーズン開幕前に選手・保護者・指導者が正しいルールとマナーを学ぶ機会として今年度初めて開催されました。昨年、大会会場でのルール・マナーに関する問題が複数回発生したことを受け、シーズン前にあらためて確認する場として企画されたものです。
将来的には、本カンファレンスへの参加証明がなければ大会にエントリーできない制度の導入も検討しております。また、今後は各地でのカンファレンス開催も広げていく予定です。当日出席した選手には「参加証」を配布しますので大事に保管してください。
登壇委員紹介
- 太田 委員長 / ジュニア大会委員会 / 大会企画・運営を担当
- 藤田 委員長 / 審判委員会 / ルール・ロービングアンパイア統括
- 植田 委員長 / ジュニアランキング委員会 / JPIN登録・ランキング管理
- 黒田 委員長 / ジュニア強化委員会・医科学委員会
2. ジュニア大会委員会(太田委員長)
大会運営システム「トーナメントプランナー(TP)」
JTA公認大会では「トーナメントプランナー(TP)」を使用しています。このシステムを通じてオンラインエントリー・ドロー作成・結果報告をヘルプデスクへ行うことで、JTAジュニアランキング(JPINランキング)が2週間ごと(4月から)に更新されます。
大会グレードとポイントの仕組み
- 各大会のグレード一覧表(別表)を参照してください。試合方法等により変更の可能性があるため「予定」として確認してください(北海道大会・ブロック予選のグレード変更はなし)。
- ポイントはG8〜G16でスライド制。例:G8の18歳優勝=1200pt、G8の12歳優勝=150pt。年齢により半減していきます(詳細はテニスルールブック p.167参照)。
- ランキングには出場大会のうちポイント上位5大会分が合算されます。
- ブロック予選と北海道大会はどちらも出場ポイントがつくため、ダブルでポイントが加算されます。
- グレード23〜31番の大会は1回戦勝利から初めてポイントが発生します。
クローズド大会 vs オープン大会
- クローズド大会:北海道在住選手のみ対象(北海道大会・各ブロック予選など)。2026年北海道予選大会のランキングは北海道ジュニアランキングを使用します(2027年以降は未定)。
- オープン大会:道外選手も参加可能。シード選考はJTAジュニアランキング(JPINランキング)を使用。2026年度は北海道ランキングでのシード選考も継続。
- 道外のオープン大会で獲得したポイントも、上位5大会の合算対象に含まれます。
ショートセット制度の導入(2026年度〜)
公式大会での8ゲームプロセット形式が廃止され、ショートセット形式に変更されました。基本はスリーゲームオールで7ポイントのタイブレーク方式ですが、カテゴリー(種目)によって内容が異なる場合があります。必ず各大会の要項・日程表で試合方法を確認してください。
質疑応答
Q:オープン大会のランキング上位5大会とは、グレードの高い順ですか?
A:グレードではなく、取得したポイントが高い順の上位5大会です。
3. 審判委員会(藤田委員長)
フェアプレーはスポーツの基本
テニスは多くの試合が審判なしのセルフジャッジ形式で行われます。自分が審判を任されているという強い意識を持ち、フェアプレーで試合に臨んでください。「セルフジャッジではプレーヤーの人格が試されています」
フェアプレーの3原則
- ルールを守ること
- 相手を大切にすること(リスペクト):相手は「敵」ではなく「仲間」です。相手がいるからテニスができる。
- 正々堂々とプレーすること:最後まで集中し、全力を尽くす。
セルフジャッジの5原則
- ① 判断に迷ったらグッド(相手有利)判定にする。 見えなかった・判断がつかない場合は相手を尊重し、グッドとしてください。
- ② はっきりと空間が見えた時のみアウト。 ラインとボールの間に明確な空間が確認できた場合のみアウトと判定します。
- ③ スコアを相手に聞こえる声でアナウンスする。 サーブ前に必ずスコアを声に出し、食い違いを防いでください。
- ④ ジャッジは大きな声とハンドシグナルで速やかに行う。 アウト・フォルトは指を立てるか手を挙げてコールを。判断が遅れると混乱の原因になります。
- ⑤ コート外からセルフジャッジへの口出しは禁止。 ジャッジできるのはコート内の選手本人だけです。保護者・観客が外から口を出すことはルール違反です。
コード・オブ・コンダクト(行動規範)と罰則
ルールブック改正(2026年度〜)により、コード違反(行動規範違反)がJPINランキング対象大会にも適用されます。コーチ・保護者の言動もペナルティの対象となり、そのペナルティは選手に科されます。ルールブック142ページに詳細が記載されています。
- 不当な時間稼ぎ・試合進行の妨害
- 施設・設備への損傷、ボールを場外に打ち込む行為
- ラケットを叩きつけるなどの器物損傷
- 言葉による侮辱・暴言(相手選手・審判・役員に対して)
- 暴力行為、卑猥な言葉・仕草
- 試合中のコーチング(技術的アドバイス・ジェスチャーを含む)
また、ダブルエントリーや無断欠場なども含め、違反が累積するとサスペンションポイントが加算され、一定以上になると出場停止処分が下されます(2027年度(令和9年度)から本格運用予定)。
応援のマナー(保護者・関係者の皆さまへ)
- OK:「その調子!」「頑張れ!」など、シンプルでポジティブな応援
- NG(コーチングとみなされる):「もっとゆっくり」「足を出して」など技術的アドバイス
- NG(相手選手への侮辱):「ビビってるぞ」「ダブれー」など、相手に精神的圧力を与える言葉
個人競技では選手本人の判断力・メンタルが勝敗に直結します。応援は温かい拍手を基本とし、プレーへの集中を妨げないようお願いします。
質疑応答
Q:試合終了後、会場内での暴言や問題発言もペナルティの対象になりますか?
A:はい、会場内にいる間はすべてペナルティの対象です。試合が終わった後でも、会場内での行為は対象となります。会場外(車内・帰宅後など)は対象外です。問題が起きた場合は、その場ですぐに審判またはスタッフに申告してください。時間が経過すると事実の確認が困難になります。
審判員は常にコートを巡回し、選手がスムーズかつ公平に試合できるよう見守っています。困ったことや不安なことがあれば、遠慮なく審判(ロービングアンパイア)を呼んで相談してください。ただし、まず選手自身が自分の試合を守る意識を持つことが大切です。保護者やコーチに頼らず、自分で対応する力を育ててください。
4. ジュニアランキング委員会(植田委員長)
最重要:2026年4月1日よりJPIN登録方法が変更になりました
- これまで:北海道テニス協会が代行してJPIN番号を取得・登録
- 2026年4月1日〜:選手・保護者が自分でオンライン登録する必要があります
- 登録費用:2026年度は無料
- 登録先:JTAプレイヤーゾーン(JTAトーナメントソフトウェア.com)
- 登録が完了していないと、大会へのオンラインエントリーができません
まず自分の状況を確認する
北海道テニス協会ホームページのジュニアランキングページを開き、自分の名前と隣のJPIN番号(男子=Mから始まる番号、女子=Fから始まる番号)を確認してください。
- 名前と番号がある場合 →「継続」:番号はすでに持っているので、更新手続きが必要
- 名前がない場合 →「新規」:JPIN番号の新規取得が必要
継続選手の手順(JPIN番号を持っている方)
- ランキング表で自分のJPIN番号を確認する
- JTAプレイヤーゾーンにアクセスし、ログインを試みる
ログインできた場合:アカウントあり → ステップ3へ
ログインできない場合:「サインアップ」からアカウントを作成する(ID・パスワードを忘れた場合は「忘れた方はこちら」から回復) - プロフィール情報を入力し、既存のJPIN番号とアカウントを紐づける
- (最重要)更新手続きを完了し、有効期限が「2027年3月31日」になっていることを確認する
注意:システム上「自動更新不要」「手続き不要」と表示されることがありますが、これはシステムの誤表示です。必ず自分で更新手続きを完了してください。
新規選手の手順(JPIN番号を持っていない方)
- ランキング表で自分が未登録であることを確認する
- JTAプレイヤーゾーンで「サインアップ」し、「JTAジュニア選手登録」を選択してJPIN番号を取得する
- (必須)取得したJPIN番号を添えて、北海道テニス協会に「新規登録届」を提出する(JTA登録だけでは道内ランキングに反映されません)
新規登録届は北海道テニス協会ホームページからダウンロードし、現在はFAXにて提出。ウェブフォームでの受付に移行予定です。所属クラブや学校の先生・コーチを通じて手続きを行ってください。
所属の登録について(重要)
プレイヤーゾーンに登録する際、所属の名称は自由入力ではなく一覧から選択します。北海道テニス協会が定めた「所属一覧表」(協会ホームページ掲載)を必ず参照し、正しい所属名称を選択してください。一般・ベテラン向けの所属名称も同時に表示されるため、間違えないよう注意が必要です。
所属変更・更新に関する注意点
- 所属変更を希望する場合は、先に更新手続きを完了してから所属変更届を提出してください(更新前は管理画面が操作不可となります)。
- 所属変更届の反映には1週間程度かかります。提出直後に変わらなくても問題ありません。
- JPIN登録は毎年度更新が必要です(4月1日〜翌年3月31日の年度単位)。
詳細な手順・マニュアルは 「2026年度からのジュニア選手登録・更新手続きの変更について」 のページに掲載されています。小さいお子さんはご自身での操作が難しい場合があります。コーチや先生のサポートを受け、それでも解決しない場合は北海道テニス協会またはJTAのお問い合わせ窓口へご連絡ください。なお、窓口対応には限りがあるため、まずはマニュアルをご確認ください。
5. ジュニア強化委員会(黒田委員長)
プレイヤーズセンタード(Players Centered)とは
日本スポーツ協会が推奨する「プレイヤーズセンタード」は、選手を中心に置きながら、コーチ・保護者・トレーナーなど関わる全員(アントラージュ)がお互いのウェルビーイングを意識しながら協力する考え方です。かつての「プレイヤーズファースト(選手第一)」から発展し、全員が幸せに関わり合うことで全体のレベルアップを目指します。
育てたい力:自主性と主体性
- 自主性:誰かに言われる前に自ら行動できること(例:親に言われる前に宿題をする、会場でウォーミングアップを始めるなど)
- 主体性:何をすべきかを自分で考えて行動できること(例:試合の課題を自分で分析し改善策を探る)
そのため強化練習では、コーチから細かく指示するのではなく、選手の意思決定を尊重しながら関わっています。保護者の皆さまも、道具の用意や食事のメニューなど、できるだけ選手自身に決定権を与えるようお願いします。
試合中の保護者の役割
試合中は「第三者」として見守ってください。ジャッジへの口出しや判定の問題が発生した場合も、まずは選手本人がロービングアンパイアを呼んで解決するよう促してください。選手が自分で問題を解決する力を育てることが、長期的な成長につながります。
北海道テニス協会ジュニア強化の位置づけ
JTAが示すアスリートパスウェイ(FTEMモデル)のうち、地域ジュニア〜全国ジュニア大会レベル(F3〜T1相当)を主なターゲットとして活動しています。世界レベルを目指す選手育成は、選手とホームコーチとのより強固な連携が重要です。
また、たとえプロにならなくても、アスリートとして行動する経験は人生の大きな財産になります(HPSCアスリートライフスタイルの考え方)。テニスを通じた人間的成長を大切にしています。
6. 医科学委員会(黒田委員長)
水分補給の基本:計画的に摂取することが重要
就寝中(約7〜8時間)は飲食をしないため、起床時点ですでに脱水状態です。朝から計画的に水分を摂取しましょう。
運動前の水分補給
- 起床〜試合開始まで:体重1kgあたり5〜10mlの水を摂取(例:体重40kgの選手 → 200〜400ml)
- 試合2〜4時間前:がぶ飲みしない。食事(味噌汁など)とは別に飲んでください。
運動中の水分補給
- 温度:5〜15℃(自動販売機から出る温度が目安。氷を入れすぎないようにしてください)
- 1回あたりの量:100〜200ml(腸から吸収できる水分は1時間あたり最大約1.2Lのため、少量ずつこまめに摂取)
- 目安:10〜15分間隔でこまめに飲むことを習慣にしてください
運動後・脱水量の確認方法
体重計を活用して脱水率を把握しましょう。
脱水率(%)=(運動前体重 − 運動後体重)÷ 運動前体重 × 100
減少した分を運動後に補給してください。日常的に測定することで、その日の環境(気温・湿度)や運動量に合わせた水分量を把握できるようになります。
汗の量は筋肉量・体格・気温・湿度・緊張度などで変わります。体重計でのモニタリングを習慣にし、夏場の熱中症を予防しましょう。
主催者まとめ
本カンファレンスは、大会会場でのルール・マナーに関する問題を受けて開催されました。ここにいる皆さんが今日学んだことを十分に理解し、他の選手や保護者にも広めていただければ幸いです。今後も各地でのカンファレンス開催を続け、全ての選手・保護者の皆さまに正しい知識が届くよう取り組んでいきます。引き続き、一緒によりよいテニス環境をつくっていきましょう。